マイクロクレジットその1; 消費者金融はマイクロクレジット?

ノーベル平和賞で、マイクロクレジットの実践をしてきたユヌス教授が選ばれました。
ユヌス教授やマイクロクレジット、そしてその実施母体であるバングラディッシュのグラミン銀行に関しては、多くの人が調査・研究をしているので、ちょっとググッればいろいろな情報がわかります。http://allabout.co.jp/family/volunteer/closeup/CU20061016A/index.htm にはとりあえず簡単に纏まっています。

マイクロクレジットが評価され注目があたるのは、個人的にはとても嬉しいことなのですが、一方で、マイクロクレジットは非常に危険なツールであることを関係者は十分知っておく必要があると思います。特に日本のマスコミの報道を見てみると、「非常に素晴らしい」との一方的なものに見えるので、とても危惧を感じます。

マイクロクレジットとは、日本語では一般に「無担保少額融資」などと訳されています。が、エンパワーメントの日本語訳の1つ「力をつける」を知ってもエンパワーメントが全く判らないのと同様に、「無担保少額融資」では全く意味がわからないでしょう。「無担保である、少額である融資」はマイクロクレジットの要件の1つですが、それはマイクロクレジットの本質ではありません。 さもなければ、アイフルや武富士など消費者金融会社はマイクロクレジットを実施する会社ということになるでしょう。

話を変えますが、タイで一般消費者が融資を受ける上限金利は年利20%だそうです。(注;このデータは聞き取りであり、数値はこの文の主旨に直接関係ないので、法律・規定等を調査して裏をとったわけではありません)
タイの物価上昇率が、データにより異なりますが、数パーセントですので、そんな高利とはいえないと思います。

では、この金利を上限とした金利で、一般の人は融資を受けているのでしょうか?
タイの現場で国際協力活動をした人は、即座に「No」と応えるでしょう。

自分は、現場に出ているわけではないので、間接的な情報となってしまいますが、(年利ではなく)『月利』数パーセントから20%にもなることもあるそうです。月利20%ということは年利換算1000%近くになるということです。
ちなみに、「『そのような違法金利を返したくない』とお上に訴えればいいのではないか?」と、とあるコミュニティ開発の専門のタイ人公務員に尋ねると、「そんなことをしたら銃で撃たれるだろう」と言っていました。

タイでは、「小規模地域経済」「足を知る経済」などのスローガンに都市型消費社会に毒されない自立した地域作りが推進されています。但し、お金は必要です。病気・怪我などの危機。農業や生活の資本金。子女の教育などの投資(?)など、いくらでもお金が必要となる機会があります。そんなとき、年利1000%なんて金利の借金をしたら、たちまち破綻するに決まっています。低利で安心できる融資システムが存在することは、人間の安全保障に必要な要素であるのは間違いないでしょう。
(続く)

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