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「協力隊(JOCV)の要請背景調査がおかしい?」ことへの対策

青年海外協力隊の要請背景調査票がおかしい? で、
「『要請背景調査票がおかしい』であっても、
『青年海外協力隊の仕事ができない』理由には、あまりならない」
と書きました。

しかし、青年海外協力隊の仕事が、

「要請内容がどうであれ、頑張ればできる」

程度の生易しいものでもないことは、同記事に書いたとおりです。

私の考えは、青年海外協力隊員の「仕事がうまくいかない」理由が、

「要請背景調査票がおかしい」

からなのか?ということです。

「協力隊員の仕事がうまくいかない」本当の理由と対策を考える必要があるのではないか?
要請調査票のせいなのか?

というのが協力隊OBとしていつも考えるところです。

いずれにしても、要請背景調査がおかしくても、仕事がうまくいくようにする、
自分の考えるとりあえずの対応案ですが、次の2点です。

1.派遣前研修の充実
 海外での活動には「協力活動」に関する、そうとう高度なある種の能力が必要です。
この能力はたとえば「作業療法士の能力」や「コンピューター技術の能力」・「農業の知識」といったものとは別の能力です。「コンピューター技術を持っているから青年海外協力隊員で現地で活動ができる」ことにはなりません。いやむしろ、(誤解を恐れずにいえば)タイでは「ほとんど関係ない」といえるでしょう。なぜなら、タイでは、タイ国内にコンピューター技術者はすでに存在するのです。そのコンピューター技術者をどう管理、活用するというタイの組織の問題があるのです。そのためコンピューター指導の協力隊員が直面するのは、コンピューター技術ではなく、組織の問題なのです。

たとえば、
能力のあまりないタイ人管理職(上司)の下で、硬直的で矛盾のある組織を前提に、立て直しながら、しかも海外で仕事をする能力です。そのような能力が青年海外協力隊員に求められることになります。

ところで、帰国後の協力隊員のOBに、

「もし、もう一度同じ職場で活動をしたら、もっと良い活動ができると思うか?」
と尋ねれば、殆どの隊員OBが「できる」と答えるのではないかと思います。

これは、2年間協力活動を実践し悩み考えてきたたため、組織体制が十分でないなかで、どのように働くのかのノウハウが相当たまってきたためです。

また、派遣中の協力隊員の多くは「要請背景調査票は重要」といいますが、帰国後しばらくたった協力隊員OBのほとんどは、「そんなに重要ではない」と答えると思います。それも同様の理由ではないかと思います。

そのような能力が、派遣したての新協力隊員にあれば、ずっと協力隊活動がうまくいくのではないでしょうか。

でも、そのような能力を特別な訓練無しの普通の日本人の若い協力隊員に求めるのは無理というものです。

であれば、派遣前の研修が重要になってくるのではないかと思います。

「活動先では、組織体制の問題がある。
しかも頼れるのは自分だけです。

支援してくれる人は自分で探さなければなりません。」
そのようなことをシュミレーション、考える訓練が必要と思います。

青年海外協力隊員の募集時には、
「現地ではJICAが支援してくれます」
などと宣伝する人もあるそうですが、そんなものをあてにするから、

「JICAの嘘つき!」と思ってしまうのです。

「誰だって募集時には良いことを言う」程度に思っておくほうが無難です。


派遣前研修だけで、2年間活動した人と同等のノウハウを持つところまでは無理ですが、
「体制が整っていない配属先でどのように協力活動を行っていくのか」の訓練を充実することは非常に重要なのではないかと思います。


2.JICA事務所の青年協力隊員活動へのきめ細かなサポート 上記と相反するのですが、1人で、自分の力で現状を分析し、計画を立案し、協力活動を実行するのは、普通の若い人には無理です。とくに、配属先のサポートがあまりないところでは絶対無理です。そんな能力があるような人がそうそういるわけはありません。
 しかし、「協力隊活動の主体は協力隊個人」「協力隊員の主体性の尊重」のもとに活動の具体的内容についての支援が少ないように思えます。「協力隊員は2年間苦しんで、成長してください」であればそれでよいのかも知れませんが、「2年間の活動を相手先に意味のあるものにする」のであれば、きめ細かな相当の支援が必須です。

国際協力の能力のある人がコーディネータ(必ずしも現状でJICA事務所にいるボランティア調整員とは限らない)として、現状分析・企画立案・実行のかなりつっこんだきめ細かい支援をおこなうのが必要だと思います。

ここで、いうコーディネーターとは、現地事情と協力活動に通じた人間で、協力隊員の持つ専門能力をどのように生かしていく具体的方法を立案し、実行能力のある人間です。また、その人は日本人である必要はないと思います。

つまり、

要請背景調査を行う(『経験・能力のある隊員が派遣されれば』協力隊が働くに相応しい配属先と判断される) 
→ 配属先の支援を得ながら、協力隊員が活動する
→ 協力隊員の経験・能力に照らし合わせて必要な配属先の支援体制が不足している
→ 良い活動につながらない
→ 「協力隊が働くに相応しい配属先と判断したことが間違い」と判断される

から、次のようになるのです。

要請背景調査を行う(『JICAが支援を行えば』協力隊が働くに相応しい配属先と判断される) 
→ 配属先および『JICA』の支援を得ながら協力隊員が活動を行う
→ 協力隊員の経験・能力に照らし合わせて必要な配属先の支援体制が不足している
→ JICAが活動の詳細にいたるまで支援を行う
→ 多少当初の調査と変更・乖離があっても調整される。
 
このように書くと「隊員の自立性を阻害し依存心を醸成する」というような」意見もあるかと思いますが、特にタイにおける配属先(=技術力のみが問題でなく、管理体制も含めて課題がある配属先)で協力隊が良い活動をするには、相当つっこんだ活動支援が必要だと思います。


注;
以上の意見は、作者の協力隊員、およびOBとしての経験を元に書いていますので、現時点の「青年海外協力隊の派遣前研修の内容」や「現地でのJICAの支援内容」と照らし合わせて、実情に合わない可能性もあります。あくまで、JICAの青年海外協力隊事業とは関係ない作者の個人的意見です。念のため。

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