成果主義と数値目標 その2 成功したけれどの続きです。
前回、環境にかかるプロジェクトの具体的な数値目標の一例として、下記をあげました。(あくまで一例です)
1)パイロット村で、環境にかかる意識が向上する(環境に関心を示す人が増える)
2)パイロット村で、植林を行う人が増える
3)パイロット村で、植林された面積が増える。
これを具体的に評価するために測るにはためには、対象地域で
1)プロジェクト開始前と開始後に、環境保護に関心があるかアンケートをとる。
2)プロジェクト開始前と開始後に、植林を行っている人が何人いるか比較する
3)プロジェクト開始前と開始後に、植林された面積を比較する
ことになりますよね。
ここで、話がぶっ飛びます。(筆者はいつもぶっ飛んでいますので気にしないでついてきてください)
一般の会社でいう数値目標の典型的な数値目標は、
1)売上げ金額
2)粗利(売上げ金額―仕入れ価格)額
などでしょう。
売上げ年間売上げ目標を100万円とします。粗利が30万円とします。
そして、結果として売上げ110万円、粗利40万円だと、満点。
売上げ110万円、粗利20万円だと、ちょっと問題。
売上げ90万円、粗利20万円だと、「目標達成できなかった」ということです。
でも、例えば年度末に売上げが90万円しかないのですが、お客さんに頼んで20万円分を買ってもらう。(そして、翌年度に返品してもらう)と年度末時点での売上げは110万円になります。
年度末に粗利が20万円でも、「粗利額が20万円のモノを買ってくれれば、経費として20万円相当のおまけをつける」と客に言って買ってもらえば、粗利は40万円です。
本来の意味で数値目標を達成していないのに、
1)売上げ金額
2)粗利(売上げ金額―仕入れ価格)額
は、数字のマジックで見事に達成してしまいました。
実際には、このような処理は粉飾決算にあたったり、違法性はなくても会社の不利益になる行為であり、当然おかしいわけです。
でも、数値目標は達成しているのですよね。
環境にかかるプロジェクトの話に戻ります。
1)プロジェクト開始前と開始後に、環境保護に関心があるかアンケートをとる。
2)プロジェクト開始前と開始後に、植林を行っている人が何人いるか比較する
3)プロジェクト開始前と開始後に、植林された面積を比較する
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第一の結論;こんな数値目標なんて、数字のマジックでどうとでもなるのです。って、思いませんか?
これだけで終わりではありません。実は、こんな数値目標は、もっと別の見方でも意味がないのです。