成果主義と数値目標 その4数値目標の達成のしかた


成果主義と数値目標 その3 粉飾決算

の続きをしつこく書きます。

1)プロジェクト開始前と開始後に、環境保護に関心があるかアンケートをとる。
2)プロジェクト開始前と開始後に、植林を行っている人が何人いるか比較する
3)プロジェクト開始前と開始後に、植林された面積を比較する



こんな数値目標なんてどうとでもなる。 なんて書きました。

多分、開発の現場にいる人は、どう、どうとでもなるのか具体的に想像できると思うのですが、開発援助の現場に直接関わっていない人はイメージがわかないかもしれません。

ちょっと「どうとでもなる」一例を書いてみます。


1)プロジェクト開始前と開始後に、環境保護に関心があるかアンケートをとる。

例を考えます。学校で学生を対象にして「環境保護に興味がありますか?」というアンケートをとったとします。その後、地球温暖化や二酸化窒素増加、砂漠化などの環境破壊のビデオを学生に見せます。そして、再度同じ学生に「環境保護に興味がありますか?」とのアンケートをとります。

そして、環境保護に興味のある学生が増えたことにより教育効果が上がった。 との結論が簡単に得られます。

なお、ビデオ後のアンケートをとる前に「環境保護に興味があると答える学生には良い点数を与える」などと匂わせればさらに完璧です。

あるいは、次のような手法も考えられる。
土屋賢二のユーモアエッセイに次のようなものがある。それに書かれていたのが、次のようなことである。

・最近の学生はピアノを習ったことがある学生が殆どである。
・その証拠に学生に「ピアノを習ったことがあるか」アンケートをとったところ、なんと100%の学生が習ったことがあると答えた
・アンケート対象が「音大のピアノ科の学生」である若干の特殊要因はあるが、100%の前には些細なことである

何をバカな? と思うかも知れないが、意外に実社会にはこのような論理がまかり通っているのではないかと思う。

あるいは、「住民の環境への興味」を、アンケートではなく、「環境勉強会への参加率」などとしても容易に対応できる。
勉強会出席者には日当を支払えば、現金を得られる仕事が得られない村に住んでいる住民は喜んで出席するだろう。


2)プロジェクト開始前と開始後に、植林を行っている人が何人いるか比較する

植林をする苗木をタダで配る。取りに来れない人には、車で村まで運んであげる。木を植えた人には補助金を与える。学校で生徒を大量動員して木を植えさせる。 etc アイデア次第でいくらでも、数字上の実績をあげられます。


3)プロジェクト開始前と開始後に、植林された面積を比較する

これなど、さらに簡単な究極の対応があります。プロジェクトで人を雇って植えればいいのです。「雇う」というのがまずければ、「日当を支払って」植えるのです。田舎では1日300円の日当で働いてくれる人はいくらでもいます。1日3万円で100人やとえば、、、、、


これは、具体的なプロジェクトを想定したものではありませんが、「こんな数値目標なんてなんの意味もない」ことの一例として示しました。


って、実はこれだけではありません。こんな「数値目標」には、もっと、本質的な問題があるのです。


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