成果主義と数値目標 その4 数値目標の達成のしかたの続きです。
「数値目標が意味がないことがある」との論調が続いていますが、もちろん、数字のマジックでいくら数値目標だけ達成しても、明らかに意味がないことがあるのは常識で判断できます。
たとえば、
「売上げを100万円達成する」
との数値目標をたてた営業マンが、
「売上げを120万円達成したが、営業経費を150万円使った」
のは、問答無用誰がどうみてもおかしいですね。
では、正しく評価するにはどうすればいいのでしょうか?
机の上で物事を考える人は
、
「売上げは100万円達成し、経費は10万円以下にする」
ことを数値目標とすれば正しく評価すると考えるかもしれません。
そのような数値目標では、
「売上げは500万円達成したが、経費を50万円だったらどうするのか?」
などの事例には対応できませんし、
あるいは、
「売上げは100万円、経費は10万円だったが、安売りしたため利益率が下がった」
のでも、目標を達成したのかとの疑問もでてきます。
それらに対応するために、机の上で考える人は、
「売上げは100万円達成し、経費は10万円以下にする。そして、利益率は○○%以上にする、、、、、」
などと、どんどん複雑、マイナス型発想になっていきます。
そして、事務仕事ばかりどんどん増えて、机で考える事がどんどん増える。そして複雑になることで高度なことをしているような気がして、実は物事の本質が見えなくなる。
「どんぶり勘定」は良くない代名詞ですが、単純なことを複雑にするのはもっと悪いことです。
常識で考えれば普通に判断できることを、複雑に考えるから問題になるのです。
たとえば、普通のなかで、自分の生活の毎月の収入と生活費をややこしく考える人はいないでしょう。
殆どの人は「だいたい」でやっています。
数値目標がある人でも、せいぜい
「節約して月2万円ためよう」
程度のものですよね。その数値目標で問題ありますか?
「今月は2万円貯金した。借金を3万円したが、貯金は2万円なので目標を達成した」
なんて人いませんよね。
では、なぜ、
開発プロジェクトの数値目標は数字のマジックで操作されがちなのに、
自分の貯金の数値目標は有効に機能するのでしょう?