お腹が空いたときに、魚を釣る方法

takaさん

毎度おつきあいいただきありがとうございます。

良い家を建てるにはエネルギーが必要
(そのエネルギーを持つことがエンパワーメント)


に対するtakaさんのコメントです。

バリヤフリーを必要とする人を、
バリヤフリーの建築物の設計に参画してもらうのは、
"より良い建築物をつくるため"の
 「手段」や「大前提となる入り口の条件」
であって、
 「ゴール」
では無いですよね?

もしかしたら、
"バリヤフリーを必要とする人をエンパワーするため"の
ゴールの一部なのかも知れませんが。



そうなのかもしれませんが、実は「途上国での開発」の視点からみた、あるいは「障害者のエンパワーメント」の視点からみた自分の見方は、

バリアフリーの建築物を作ることへの当事者の参加は、「条件や前提」あるいは「ゴールの一部」でもないのです。

確かに、下記のような「バリアフリー建築物建設プロジェクト」は考えられるとは思いますし、否定をしません。


プロジェクト上位目標;バリアフリー「社会」の実現
プロジェクト小目標;バリアフリーの建築物を作ること
手段(条件・前提);当事者の参加型で設計がされること


従来の「通常の考え方」や「常識的な考え方」では何の問題もないでしょう。

ただし、自分が考えていることは、このようなことではないのです。
(それが、takaさんが違和感を感じている部分だと思います)


筆者が理想と思っているのは、「建物」というハードを作ることが目的でなく、あくまで「人」というソフトありきであるべきだということです。

つまり、たとえば、次のようになります。

プロジェクト上位目標;バリアフリー「社会」の実現
プロジェクト小目標;当事者の主体的参加
手段;バリアフリー建物の建築

当事者がエンパワーメントされ、その当事者が社会参加(建物建築への参加)する社会的システムが構築される。

そのために、「バリアフリーの建物建設を通じて」、その構築事例が蓄積されるのです。
開発の視点から見れば、

建物建築は「目的」ではなく「手段」なのです。

(もちろん、デベロッパーの立場からすれば、建物建築は目的でしょうが。
ただし、六本木ヒルズの森ビルの人が何かに書いていましたが、「森ビルは、建物(ハード)を作るのが仕事ではなく、街やコミュニティ(ソフト)を作るのが仕事」とのことです。(多分に宣伝的な意味合いもあるかもしれませんが)そういう意味では、自分と考えは一致しているかもしれません。
ちなみに、余談になりますが、筆者は六本木ヒルズがとっても好きです。確かに庶民とはかけ離れてはいますが、遊働住が一体化し、かつ新しい形のコミュニティを作ろうとする意図を感じます。「仕事をするだけのビル」や「住むだけのニュータウン」より、六本木ヒルズにとっても魅力を感じます。
自分が住むことは(経済的に)絶対にありませんが。)


もとに戻ります。
実は、「手段」としては他にも多くの方法があります。
しかし、バリアフリー建物が手段として良いのは、「結果が素人にも目に見えて、わかりやすい」ということです。

恐怖のスロープ バンコク・スワンナプーム空港

これを見れば、この空港は参加型で作っていないことが、一目瞭然です。
筆者は、「それが問題」と言っているのであり、「(厳密にいえば)空港がアクセシブルでないから問題」と言っているのではないのです。


"利用者が真の意味で力を持つ"までプロセスとして、
私が提案したような方法を採用しないとして、
どのような対応をとることを考えてらっしゃるのでしょうか?
私は、今ひとつ、理解できないので、教えてもらえると嬉しいです。


エンパワーメントを説明する言葉に次の言葉があります。実は誤解を招きやすいのですが、エンパワーを説明するのにわかりやすいのであえて書きます。


・お腹が空いている人に魚を与える
→(狭義の)福祉アプローチ

・お腹が空いている人に、魚の釣り方を教える
→教育アプローチ

・お腹が空いている人に、魚の養殖の仕方を教える
→教育アプローチ改良版(サスティナビリティの担保)

・お腹が空いている人に、「自分も頑張れば、魚も釣れるし、養殖もできるんだ」と勇気づける
→エンパワーメントアプローチ


各々のアプローチは必要なもので否定するものではありません。たとえば、極端な例では、災害で食べ物が無い人には、緊急に食料が必要です。
が、筆者が、このブログで一貫して主張しているのは、エンパワーメントアプローチのすばらしさです。
やる気にさえなれば、次のステップとして魚の釣り方を覚えても良いし、養殖の仕方を覚えてもよい。教えてくれる人がいなければ、教えてくれる人を探しせるし、自分で創意工夫をしてもよい。とにかく、やる気になるのが大切なのです。

バリアフリーに関しては、次のようなことになるでしょう。

・(行政などが)バリアフリーの建物を造る
→(狭義の)福祉アプローチ

・バリアフリーの建物の作りかたを建築士に作る
→教育アプローチ

・バリアフリーの建物を作る際の当事者の留意事項を当事者に教える
→教育アプローチ改良版

・当事者に「自分も頑張れば社会をバリアフリー化できるんだ」と勇気づける
→エンパワーメントアプローチ



みんなが「自分たちが、バリアフリー社会を作っていくんだ」とやる気になることによって、それが「社会(コミュニティ、建築士、行政etc)への変革へのパワーとなる」というのが、バリアフリーアプローチなのです。





おお! 活発な議論になってきた!

takaさん

真剣なレスありがとうございます。
今日はバタバタとしており、家に帰ったのが深夜で、レスをする体力がありません。(知力はもともとありません)

明日レスしたいと思います。

ご容赦を。
[ 2007/02/26 02:45 ] [ 編集 ]

想像力を持つ人は当面、不要なのか?

おはようございます。 丁寧な説明をありがとうございます。
やっと少し、さくらぎちょうさんの意図やロジックの一端が理解できつつあります。

私が質問をする前に頭に描いている目的や価値観が、さくらぎちょうさんと異なっていたことが原因だと思うのですが、
「さくらぎちょうさんが主にテーマーとして話したかったこと」と「私が疑問に思っていること」がずれてしまっているようです。


さて、どうしようかなぁ...。 このまま分かったフリをして退散するのは、誠意に欠ける行動だと思うので、もう少し教えてください。 いつまでたっても理解しない頑固なヤツと思われそうですが、何とぞお付き合いを。


3つ教えて欲しいことがあります。 まず、一番、簡単な質問から


■"エンパワー"しようとするあまり、逆に疲弊してしまわないのでしょうか?

私たちが家を建てたときは、参加することが「動機付け」にはなりましたが、他方で相当疲れて、「疲弊」しきってしまいました。 Internet上の掲示板を見ると同様のことを述べている人をみるので、私たちだけが特殊ケースというわけでは無いようです。

疲弊するのか否かは、参加することの動機付けの強さ、目標達成までの期間(長さ)に依存すると思います。 長い期間、強く動機付けされた状態が続くと、人間は疲れてしまう場合があるのだと思います。

さくらぎちょうさんが従事されているケースでは、適切な期間毎にマイルストーンを設定する等の手法をとられるのでしょうか?


2点めは、文字にすると挑戦的な言葉に見えてしまうのですが...

■"参加すること"あるいは"参加してもらうこと"だけで、何とかなると思いこんでいませんか?

上記の質問をする背景を説明すると:
会社で、担当者だけでは解決できない大きな課題が生じた場合、関係者を集めて会議を開きます。 ところが、大きな課題を解決した経験が少ない人の中には、「会議を開いて人を集めるだけでなとなる」と早合点してしまう人がいます。 或いは「会議で課題を共有することで、責任が分散し、負担が軽くなる」ということだけで、課題がうまく解決しなくても満足する人もいます。 困ったもんですね。

そういう経験があるので、さくらぎちょうさんが、あまり具体的な方法論や例の説明をせずに、「エンパワーメント」の考え方、理念を力説すればするほど、私は、逆に、「当事者の主体的参加」だけで何とかなると主張しているように思えてしまいます。 恐らくは私の誤解で、かつ、杞憂だと思います。 が、そのように解釈してしまえる余地、リスクがあることを説明した方が良いかと考えた次第です。

正直に言うと、
ずーと、「理論」の話が先行して「実行面」の話を聞けないことに
違和感を感じている次第です。
参加してもらった上でどう推進するかを具体的に教えてくさい。


最後になりますが、

■よっぽどの想像力を持つ人になりたいと思いますが、ダメでしょうか?

私は、「想像力の豊かな人」の記事の冒頭の書かれていた「よっぽどの想像力を持つ人」になりたい、近づきたいと思うのですが、それはダメでしょうかね?
「エリートに任せておけばよい」と皆が誤解してしまうことにつながるから、「よっぽどの想像力を持つ人」が安易に増えるのは良くないということでしょうか?

ちゃんと説明できていなかったのですが、一番最初のコメントをしたときに頭の中にあったのは「よっぽどの想像力を持つ人」に近づくにはどうすれば良いかという疑問です。
で、この疑問はまだ解けないでいます。


今回も長くなってしまいました。
頭が一番クリアな朝なのに、1時間以上考えてしまいました(^^ゞ 
どうも最近、私の回転が鈍くなってしまったようです。...いや、元々そうだったのかも(笑)。
[ 2007/02/24 08:53 ] [ 編集 ]

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