青年海外協力隊(JOCV)の職種

青年海外協力隊(JOCV)は、海外からの要請があり、協力隊員候補者がその要請に応募することにより、海外・発展途上国でのボランティアを行うシステムです。

そして、「職種」毎に募集されています。

その職種は、「果樹」「コンピュータ技術者」「歯科技工士」「青少年活動」「村落開発普及員」など、多くの「職種」にわかれています。

http://www.jica.go.jp/activities/jocv/job_info/job_list/index.html

でも、この「職種」っていうのが誤解の元ではないかと考えています。同じ「職種」名であったとしても開発途上国で必要な能力と日本での能力とが合致していないからです。

例えば、下記のような架空の要請例で考えます。

タイ北部の○○県△△郡における山岳民族の村では収入は出稼ぎに頼り、地域社会が疲弊している。それに対応するため、タイ政府○△省○○県×△農業振興事務所では、新規に果樹の栽培・販売をはじめ、現金収入源の確保を図り、地域社会の活性化を図るため、協力隊の要請を行っている。栽培樹種はパパイヤ、マンゴー、ジャックフルーツなど。

深刻に考えると、これに応募できる人なんていませんよね。
自分はは果樹の専門家ではないのですが、少なくとも、栽培する果樹の選定には気候・土壌・現保有栽培技術・マーケットなどなど多くの調査が必要だと思います。気候・土壌ならなんとか調査ができるとしても(それも難しいが)、パパイヤ・マンゴーetcなどの専門家って日本にどれほどいるのでしょうか?それに、マーケティングって簡単に言いますが(タイ人も簡単にいいますが;苦笑)社会経済情報を承知して、はじめてマーケティングができるのです。現地での事情を誰が知っているののですか?

また、最近は貿易自由化の影響で中国産の高品質果物、特に温帯果樹が安価にタイに流入し、果物のシェアや価格が大きく変動してきているとも聞いています。グローバルな視点からの検討も必要ですね。

た、協力隊の任期は2年ですが、当初は言葉も現地事情もわかりません。実際に働けるのは、どんなに長くても1年半でしょう。
その1年半の間に、栽培果樹の選定、栽培方法の確立、住民への普及、、、そんなことすべてできるなんてあり得ません。

「果樹」の純粋な技術指導をしようと思って現地に行ったら、うまくいかないことは100%保証できます。


では、何をしようと思ってこのような要請に応募すべきなのでしょう?
(本音を言えば、この要請例は「よくない要請例であると思いますが、このような要請って意外とあるのです)

自分の考える答えからいえば、果樹というより「村落開発」「コミュニティ開発」をしようと思って現地にいくべきだと思います。
タイでは、農業・果樹・普及。マーケティングetcのリソースパーソンがすでに現地にいるのです。村落開発普及員の活動は、「住民(農民)のエンパワーメント」と「リソースのユーティライズ&モーバライズ」が鍵になります。現地のコーディネーター的役割ができる人が必要だと思います。

なぜ「村落開発普及員」かといえば、「果樹の専門家」であればその「専門」が逆に邪魔して、専門分野に特化した活動になりがちです。 そして、結果として「住民のエンパワーメント」と「リソースのユーティライズ&モーバライズ」に関する活動が行いにくくなる傾向があります。

よって、この架空の募集に応える人は、「果樹の専門技術が無い方が好ましい」ともいえるのです。

 だって、住民の視線で一緒に考える(=エンパワーメントにつながる)、自分に技術が無いから、技術を他に求める(=リソースのユーティライズ&モーバライズにつながる)ことで、活動がすすみます。


なお、昔は協力隊では「技術協力は、公務員に対して行う」「公務員が住民に指導を行う」などと言われたりもしました。

そのような発想は、殆どのケースで役にたたないと考えます。
このケースでは、タイ政府○△省○○県×△農業振興事務所の公務員は「必要に応じて利用する」程度でいいと思います。
(すべてとはいいませんが)公務員に多大な期待する必要はありません。(意味があまりありません) 
「自分の仕事を邪魔しなきゃそれでよし」くらいの感覚でいいと思います。 本当に一緒に仕事をするパートナーは農民・住民です。

このようなことが、いろいろな「職種」でいえます。「コンピュータ技術者」しかり「手工芸」しかりです。

そんなわけで、協力隊でいう「職種」と日本の社会でいう「職種」とは大きな隔たりがあると思います。

開発途上国では、「(狭義の)技術」よりも「コーディネーター的要素」が重要、日本の社会でいえば「営業」が一番近い職種でしょうか。

たとえば、農業関連商品の営業をしている人は、今回の例の「果樹」に最も合致する人ではないかと思います。


※今回書いたことは、一概にはいえないことでもあるし、誤解を招きやすいことでもあると思います。今後、徐々にいろいろな確度から書いて行こうと思います

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://okui.blog77.fc2.com/tb.php/38-6bf6a197