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青年海外協力隊員への手紙 その2;協力隊員に期待すること

前回の続きです。

青年海外協力隊員の仕事とは何なのでしょう?


「協力隊はボランティアだから何も無いところから自分で仕事を探すべ
き」というようなことをこの業界(注:協力隊関係業界;笑)で聞きます。
「協力隊は開けてびっくり玉手箱」とも聞きます。つまり、中はキラキ
ラ宝物(非常に良い活動)になるのかムクムク煙(何の成果もない)な
のかは、開けてみないと(協力隊が活動してみないと)わからない。
という意味です。

確かにそういう面を、感慨をもって語る協力隊OBは少なくありません。「俺の隊員時代は何もないところから始めた。俺は配属先(本局)とかけあって仕事を作ったetc」のような発言をするOB達です。
確かに、そのような逞しさは協力隊員に必要な素養の一つかもしれません。

ただし、協力隊の活動のやりやすさは、配属先で大きく変わるのは事実です。配属先が協力隊への理解が深く活動への支援もする場所と、「協力隊員は金づる」程度にしか理解していないところと活動のやりやすさは大きく変わってきます。

ただ、配属されてしまえば、その場所でベストをつくすしかありません。現場がどんな現場であれ、それが前提条件なわけですから。


現役の隊員の皆さんに問いたいのは、これから来る隊員の人が配属される配属先が、とんでもないところか(活動が非常に困難なところか)、活動がしやすいところか、行ってびっくり玉手箱(行くまでわからない)で本当に良いのでしょうか。ということです。

それで良いとしたら、JICAの仕事は極めて楽ですね。隊員に「頑張れ」
と言って叱咤・激励してれば良いのですから。きっとJICAの仕事は、よ
い兄貴・姉貴分として、勇気付けたり相談にのったりするのでしょう。

でも、配属先の業務については精神論や取り組み手法の説明だけで、問
題の本質的な解決策にはきっとならないでしょう。
しかし、協力隊活動を「日本青年の研鑚の場」と位置付けるのであれば、それは理にかなっているのではないでしょうか?

でも、協力隊員の皆さんは海外に研鑚に来ているのですか?



その国の国家計画を検討し、その中での各省庁の方針を分析検討し、その中で隊員配属先の位置付けと隊員への期待を考えて、隊員が行うべきこと、隊員に期待すること、隊員の直面する困難と対策を検討して隊員の配属・支援を行うのは現実的には極めて難しい仕事です。

念のためですが、「活動が困難なこと」が、「隊員の配属先として相応
しくない」と言っているのではありません。活動が困難であっても活動
の意義・必要性が高い仕事も沢山あります。

私は、「困難を避けたい。困難であるから活動に満足感を感じない」と考えている協力隊員は殆どいないと信じています。
活動に満足感を感じにくい協力隊員は、「何をやってよいのかわからない」「自分のやっていることが意義あることである確信が持てない」「自分のやっていることの成果を実感できない」からだと思っています。

その中で協力隊員は真摯に頑張っていると思うのですが、その一方で次の世代の隊員に残せるものは「どのようなタイ側戦略があるのか」「どのような日本側戦略があるのか」「その中で隊員には何を期待するのか」を配属時に(あるいは配属前に)はっきりさせることであると思います。これは、なにも隊員の活動を縛ろうとか、自由度を少なくしようとかいう意図ではないし、日々事情は変わってきていますので、常にリバイスしていくべきものでもあると思います。ただ、念のため再度強調すると、「日々事情が変わるから、あけてびっくり玉手箱でしょうがない」では決してないということです。

その為には、隊員はJICAにそれらの対応を具体的に提案していくことが求められると思います。


ここで注意しなければならないのは、「JICAの派遣前調査がおかしかった。不十分であった」との議論になりがちなことです。「もっと詳細な調査をするべき」、さらに「写真やビデオで配属先の状況を撮影すべき」などの議論まであるようです。

観光に行くんじゃあるまいし、写真やビデオがないと行くかどうか判断できない人がいるとすれば、あるいは写真やビデオで判断する人がいれば、明らかに協力隊員としての資質ではないということです。

私の言いたいのは、隊員派遣前に、もっと本質的な戦略立案と調査をJICAが行うべきであり、そのようなことを協力隊員が具体的な情報をJICAに提供することが必要ではないかということなのです。



JICAの行う隊員派遣サイクルは、
1、その国の国家開発計画に基づき各機関の情報収集・協議
2、1に沿って日本のODA戦略に各スキーム(含協力隊)の協力計画立

3、2に沿った協力隊派遣計画の策定
4、3に沿った調査・要請の開拓・要請背景調査の実施
5、隊員派遣・活動モニタリング
6、上記を踏まえて派遣計画の見なおし(延長・後任決定含む)
を経ます。このように「戦略的派遣」として協力隊員の活動が相手国にどう裨益するのか、日本としてどう相手国と関わってくるのかが検討されているはずです。

その対極に下記のような総花的派遣があります。
1.対象国側から協力隊の要請がある 
2.同要請が協力隊派遣に相応しいかどうかJICAで検討する 
3.要請内容の調査の実施 
4.協力隊派遣 
5.個別に延長・後任を検討する 

いずれにしろ、どのような事業でも事業ならば「アウトプットが何か」が重要になります。協力隊も例外ではありません。アウトプットが妥当かどうかを評価する為には当然「目標」が必要です。目標を定めるには「戦略」が必要ということです。なお、すべての協力隊員の目標には「有意の青年に海外で活動する機会を与える」というのはあり、それを否定するものではありませんが、それだけでは少なくともダメということです。

長々となにを言いたいかといえば、「戦略的派遣」をするには現実的はJICAの負担はとても大きい。すべての責任をJICAに求めるのは現実的には無理でしょう。もっと、ぶっちゃけた話ではJICAだけでは実施が不可能ということです。

一方で、ご存知のように、タイは高度に社会経済的に発展している国です。(異論はあるかも知れませんが、他の発展途上国とくらべた場合疑問の余地はないでしょう)だからと言って問題が少ないのではなく、だからこそ、そこに存在する問題は、高度、複雑、解決困難な問題ともいえます。そこに、協力隊が1人配属先に行って問題解決できるでしょうか? もちろんNOです。 今までの協力隊員の葛藤はこの解決できない問題にまともにぶつかった人の葛藤でもあると思います。葛藤の結果あきらめてしまった人も沢山います。でも、あきらめてしまって、この国がそれで良くなるのでしょうか。協力隊ができることはないのでしょうか。協力隊が断片的であったとしても積み重ねてきた活動には、その答えが沢山あると思います。それらを整理分析してタイ政府方針や日本の方針とすり合わせて今後のより効果的な派遣戦略を作るのが事務所の責任です。でも、現実問題とすて、JICAは現場はあまり知りません、

隊員に期待するのは、JICAも理解できる形で情報・活動・ノウハウを提供することが、ついてはタイの発展に結びつく有効な方法ではないでしょうか。別に任地での活動の成果が任地であるのみでなく、「情報がJICAを通じて派遣戦略に繋がり、今後のより効果的な活動に
繋がる」ことも隊員活動の成果といえるのでないでしょうか。

つまり、協力隊員は開発途上国の現場にいる数少ない日本人なのです。その情報を自分だけで持っていればもったいない。その情報をJICAにフィードバックするのが協力隊活動にとって必要ではないかということです。

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