青年海外協力隊員への手紙 その6;必要とされる協力隊員とは

いままで、JICAとの情報の共有が重要だと書いてきましたが、一方で「JICAに情報を提供しても真面目に受け取ってくれない」「活動がうまくいかない言い訳とみているようだ」などとの声も現役の協力隊員から聞きます。

たとえば、「自分が村落開発の協力隊員を派遣してもしょうがない。技術的な専門性を持たない村落開発協力隊員よりも農業などの技術の専門家を派遣すべき」と提案したのに、JICAは聞く耳を持たないようだ、などの意見です。
これは個人の感じ方ですので、それに口を挟む気は全くありませんが、全く利害関係のない私が、この部分だけ読めば「この隊員の姿勢には課題がある」と感じるのを否定できません。 (この文の背景にはいろいろあると思うのですが、「この文」だけ読めばです)
 日本のサラリーマンが酒を飲みながら「俺の上司は理解がない、バカだ」と言っているだけとあまり変わらない気がします。 協力隊はこれでも、日本の普通の会社にくらべてはるかにオープンな社会だと思います。 「村落開発普及員は必要ないのでは?」と信じるのであれば、いろいろな方法でそれをJICAに働きかける方法があるのではないでしょうか? 協力隊員の窓口となるJICAの担当職員が、万が一、協力隊員の意見に耳を貸さない、理解力のない人だったとしてもJICAに働きかける方法はいくらでもあるでしょう。

それができない人は、自分の任地では「カウンターパートは理解がない」とやっぱり嘆いているのではないでしょうか?

えらそうなことを書いてしまいましたが、、、、「チャレンジナブルな
状況を、「困難」と見るのか、「やりがい」と見るのかはその人の姿勢によって、仕事のやり方も変わってくると思います。


また、技術的な専門性のある人が必要との意見に関しては、私「個人」としては、少なくともタイにおいては全く正反対の考えを持っています。

タイぐらい発展した国になると、「専門的な技術・知識が必要」との判断ができるのであれば、「自力で国内の専門家を活用したり、場合によっては独自の予算で海外から専門家を雇用(あるいは専門企業と契約)」するだけの力はあるのではないかと思います。

地方の現場における課題は多くあるとは思うのですが、その課題の大きな部分は「現場で、有効な戦略の立案能力と実行能力がない」ということではないかと思います。そこに協力隊員1名が配属されてどうしようもない部分は確かにあるのですが、そこに多くの道具「予算・外部技術・JICAの支援など」を活用することにより、現場からの変革モデルをつくることができるのを、個人的には期待しています。

隊員要請元の職員達にとって、「自分たちの組織に海外からの隊員が口出しされるのはあまりウエルカムじゃない、しかし、必要に応じて『便利な技術者』として使える隊員が職場にいるのはウェルカム」だと推測するのは容易です。 
だから、それを「配属先のニーズ」として協力隊で受け入れるのでしょうか?

協力隊がそのような『便利な技術者』の派遣を行う組織であれば、それはそれで
構わないのですが、個人的にはそれでは寂しい気持ちがします。 もちろん『便利な技術者』からスタートし、配属先の信頼を勝ちえ、発言権を得て、それがひいては効率的な活動につながっていった隊員は大勢います。 『技術』を配属先の改革の為の一つの道具(あるいは手段)として捕らえることができるのであれば、それはそれで構わないのですが、『技術者』は応募の動機からして「自分の技術を途上国の人に役立てたい」とする人が多く、「自分の技術を途上国発展の一手段」として役立てたいとする人はごく少数派であると思います。 そうであれば、『技術』を持つがために、むしろその『技術』に足を引っ張られて、良い活動ができない可能性もあります。


私が個人的に考えるタイにおける協力隊の将来像は、「人間に働きかける活動」「社会に働きかける活動」を行う活動を行うことを期待しています。 その為に「必要な予算」や「専門家技術」はただ単に「道具」として外部から調達していいのです。

さらに、個人的にいえば、タイへの協力隊派遣を「政府機関」への派遣から将来的にはNGO、地方自治体等への派遣へ切り替えるべきではないか? とも思います。
この辺を書き出すと長くなるので、ここでやめておきますが、もし、興味がある方がいらっしゃたらメールをください。

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