タイのトラブルの際の話し合いがどうされるのか、具体的に筆者が体験した例を書いてみます。
これが普通なのかどうかは知りませんが。でも、タイらしいと筆者は思うのでした。
−−−−−−−−−−−−−−
先日、知り合いのタイ人から頼まれた。
「土地の境界問題で隣接の土地のオーナーともめている。相手側と話し合いをするので、立ち会ってもらえないか?」
タイでは、土地の登記制度や測量の精度が不十分なため、(そして何より各種不正によって;多分)土地問題が結構多い。
いろいろな政府機関/NGO機関を訪問して、問題・課題などを尋ねるこも筆者の仕事上多いのだが、かなりの確率で「土地問題(土地の所有権・境界問題)」が発生していると聞いている。
といいつつ、「問題が多く発生しているのだなあ!」と思うだけで、具体的に深く足をつっこんだことがなかった。
今回は、土地問題の相手方との交渉にハクをつけるために、筆者が呼ばれたらしい。
かといって、ゴタゴタに巻き込まれるのはいやなので、
「あくまで立ち会うだけ。発言はしない」
を条件に交渉に同席した。
知人が所有するビル(土地)と問題の相手ビル(土地)は隣り合わせ。
今回、その隣のビルのオーナーが土地を第三者に販売しようとするところから話しははじまった。
すでに、販売相手先も決まり、そのビルを撤去してコンドミニアム(マンション)を建てる予定とのことだ。
当方側は熟練の弁護士を雇っている。多分50代後半と思われる。海千山千という感じ。
弁護士との契約詳細は知らないが、報酬6万バーツとのこと。
おおっ、結構な金額ではないか。
しかし、バンコクの中心地で土地の問題というとお金には糸目をつけられないのだろう。
で、相手側が交渉の席に来た。
ほとんどおじいさんのオーナー、、、、、、そしてもう一人びっくりするような美人だ。
品のよい正当派美人。20代後半かというところ。思わずオヤジ光線を発揮して見とれてしまった。
この女性が相手側の弁護士とのこと。
うち側の弁護士が怪しげな50代男性で、相手の弁護士が美人弁護士。
筆者としては、相手側に寝返ろうか! と悩む。
が、悩んでいるうちに交渉が始まってしまった。
「筆者の席は『怪しい側』だが、筆者はあなたを応援しているからね」と心でその美人弁護士にエールを送る。
筆者の思いが通じたのか、美人弁護士は幾分安心したような表情をみせた。
(と筆者が勝手に思いこんだ)
まず、美人弁護士が話をはじめる。
「ここに土地局で入手してきた登記簿があります。」
おお、さすが、美人弁護士! 声もなかなかすばらしい。
が、筆者の知人は会社の人との話をやめない。
美人弁護士が続ける。
「それによると、当方の土地は3つに分割されて何の問題もなく登記されています。
筆者の知人はぺちゃくちゃ、ぺちゃくちゃ。
まともに聞いていない。
美人弁護士がたまりかねて、遮る。
「大事なことを説明しているので、きちんと聞いてください」
知人は、
「はいはい、聞いてあげますよ! よい子のおじょうちゃん。」
完全になめている。
美人弁護士はむっとしただろうに、さすがプロフェッショナル。気を取り直して続ける。
「登記簿にきちんと登録されて、その証明書もタイ政府から発行されています。我が方の土地の所有はタイ政府の法律によって守られています。わかっていただけましたか?」
知人、
「わかった。」
さすが、美人弁護士!あっという間に終わってしまった。
筆者の応援のたまものだ。と筆者は安堵する。
で、知人;
「おまえアホか? なに寝ぼけたこというとんねん! そんなことは登記簿をみりゃわかるわい。 その登記簿がまちがっとるんやんけ!」
注;知人が大阪弁で言ったわけではなくタイ語で言いました。但し、その雰囲気をあらわすには大阪弁に意訳するのが最もふさわしいと判断しました。
美人弁護士;
「登記簿に異議があるなら土地局にクレームをつけてください。当方は現時点で正規の登記簿を持っているため、現時点で販売する権利を保有します」
知人;
「なにゆうてけつかんねん、このアマあ! メンタマひっこぬくぞ! 土地問題でガタガタしている土地を誰が買うねん? こっっちが納得せんと実際上売ることはできないやで!
注;かなり脚色ははいっています。
あまりの暴言・雑言に美人弁護士の目が赤くなっている。
筆者としては、「美人を助ける」主義主張を持つのだが、一方で「すわっているだけ」の立場での参加だからどうしようもない。
美人弁護士、立て直してきた。
「それでは、そちらの言い分を聞きましょう。そちらが主張する境界の根拠はなんですか?」
知人;
「ここに土地図があるだろう。それの境界図によるとうちの土地の範囲はそちらにずっとくいこんでいるんだ」
美人弁護士;
「その図面ははじめて見たので今コメントをできません。もちかえって検討しますからコピーをください」
知人;
「なんでコピーをあげなきゃならないんだ?自分でどこからか入手しろ!」
美人弁護士;
「はやく決着をつけるには、今コピーをもらえた方がうれしいのですが」
知人;
「うちは、早く決着をつける必要がないんだ。土地を売りたいのはそっちだろ? そっちが、譲歩してきたら話し合いに応じてやる」」
美人弁護士は常にまともなことを誠意をもって話してくれる。
筆者としては、「美人」だけで好感度が高いのに、好感度があがりっぱなし。
さらに、目に涙を浮かべながらも気丈に対応している様子は、さらに好感度上昇。
それに引き替え、筆者の知人側の怪しい弁護士はひと言も発さない。
おい、6万バーツ分の仕事しろよ!
で、今回の話し合いは結論がでず、次回に持ち越し。
長引いても全然困らない筆者の知人と、早く売却したい相手側の事情を鑑みると圧勝という感じです。挑発ありいの脅しありいの。
まともな話し合いにさせない戦略勝って感じ。
でも、この知人、こんなイヤな奴だったんだ!!!
もっと距離をおこう! でも、敵にはしたくないなあ。
今回の結論;
頭の切れる美人弁護士でも、交渉につよいとはかぎらない。
←海外ブログ
←人気ブログ
←FC2ブログ
↑↑↑ ブログランキング 面白かった/役にたっらら、ポチお願いします ↑↑↑
−−
作者からのお願い;−−
記事の購読ありがとうございます。
「ありがとう」ついでに、何かコメントを書いてくれると、さらにとってもうれしいです。
コメントを読む/書く (4)
かなり脚色はいってる見たいですが面白かったです。
続編はぜひイサーン語で。。。
って、分かります。私は「わざと議論を錯乱する戦略」と呼んでいました。これって、やられる方はたまらないですよね。ガで政府がよく使っていた手でしたが、大勢の前では使えない技です。なんたって、そういう戦略をとっている人間の品性が疑われますから、、、
トゥッ・ムーさん
その後も交渉は進んでいる(進んでいない?)ようですが、、、
また、動きがあればリクエストにお答えして続編を書きます。/さくらぎちょう
筆者の場合は、「意図ず議論を錯乱する」ことがよくあるのですが、計算ずくで「わざと議論を錯乱する戦略」のはありうるのでしょうね。でも京王線さんの言うように、そういうひととお近づきになりたくないですね。少なくとも尊敬はされません。/さくらぎちょう
コメントの投稿